2010年8月 第三回オープンセミナー「椎名誠講演会」 

 CSNが年1回主催するオープンセミナーが、210年8月28日に開催されました。この日35度近い猛暑にもめげず、定員の80名いっぱいの参加者をみました。
 会場入口には、椎名さんと若い頃から親交のあった高橋事務局長秘蔵の、作家椎名誠の原点というべき「哀愁の町に霧が降るのだ」時代の手書き原稿やガリ版刷り同人誌が展示されました。今回の参加者は、椎名ファンの女性や我われの息子世代も多く、それらの資料を写真に撮ったり、1枚1枚熱心にページを繰っている姿が印象的でした。
 講演会は、辻田代表のNPOのわかりやすい活動紹介と歓迎のあいさつから始まりました。
つづいて椎名さん、いきなり、チベットの6000メートル級の山に登山中の夫人の渡辺一枝さんと昨日から衛星電話が通じなくなり、明け方まで連絡におわれてやっと無事を確認したけれども講演会に遅刻しそうになったとのお話。
 家族5人が世界のあちこちに住んでいるとのことで、グローバルな活躍舞台がうかがえます。講演では、30年以上にわたって辺境を旅してきた目でみた文化の違いを、豊富な経験談をまじえてわかりやすく語ってくれました。講演の後半では、世界の各地でみられる、水不足と汚染の怖さを訴え、日本の水のありがたさを強調しました。モンゴルの草原の満天の星空の素晴らしさに、モンゴル人はなんの関心を示さないように、2万5千本の河川に恵まれた日本人は、水に無関心すぎるのです。しかし椎名さんはつづけて発言しました。「世界の水不足を解決するのは、技術者のたゆみない努力である。たとえば海水淡水化技術では、日本の技術は世界トップレベルにある。こうした貢献を高く評価したい」として、講演の結びとしました。
 我々シニアと同世代の椎名さんが、地球の東西南北の最前線から情報を発信しつづける行動力には、文句なく脱帽しました。

 講演会のあと、会場を総合センター構内D棟9階のレストラン〔さくら〕に移し、懇親会をもちました。 椎名ファンからは、懇親会にも本人が顔をみせるのか気になるらしく、何人も問合せを受けました。月末は原稿の締切りが多く、直前にならないとわからないとのことでしたが、うれしいことに参加してくれました。
 さらに、椎名作品のなかで重要登場人物である木村晋介弁護士も、先約の会合をぬけだして駆けつけてくださり、窓外に代々木公園の深い緑をみおろす絶好のロケーションとあいまって、じつに楽しい会となりました。
 参加した某教授は、この夏休みに椎名本を10冊ほど買い込み読みふけったそうです。著書を持参してサインをもらっている方もいます。なにごとか、椎名さんと議論している方もいます。青年時代の同人誌の仲間が、久しぶりの出会いを喜んでいます。それぞれの思いをこめて、作家を囲んでの1時間半は流れていきました。CSN主催で、めったにないこうした時間を会員と共有できたことはとても良かったと思います。

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