2008年2月活動実績 中小企業向けの事業継続計画(BCP)セミナー開催 

 企業の災害対策において、地震をはじめとする自然災害のリスクが欧米諸国に比べて桁外れに高い日本では、対外的な信頼確保や地域社会と共存のためにも、従来型の「防災」から「事業継続」への転換が強く求められて来ています。 1995年の阪神淡路大震災で長田区の企業の20%が存続できませんでした。また、2007年の新潟県中越沖地震では1社の被害で大手の自動車メーカー12社の生産ラインが停止しました。一方、2004年の新潟県中越地震では、某食品会社では関連企業の工場や物流拠点が使用不可能となりましたが、BCPへの取り組みが功を奏して翌日から代替拠点の切り替えで業務を継続することが出来ました。
また、2004年の新潟中越地震において、某電機メーカー半導体工場の生産ラインが長期停止し、過去最大の赤字を計上することになりました。この事例は、災害がもたらす事業への影響として再認識されました。その後、そのメーカーはBCPに取り組み、2007年の新潟県中越沖地震では生産ラインを停止することはありませんでした。この他にも、多くの事例から得られた教訓として、BCPの取り組みの有無は事業継続に関して雲泥の差が生ずることが知られています。阪神大震災をはるかにしのぐ被害が想定される東海、東南海、南海や直下型地震などの切迫性が指摘されるなか、政府ではガイドラインを作り、事業継続計画(BCP)の普及をはかる活動を始めました。埼玉県吉川市に拠点をおいて活動しているNPO法人シビルサポートネットワーク(代表理事辻田満氏)では、平成17年からこの事業継続計画(BCP)をテーマとする共同研究やセミナーを実施すると共に、平成18年に設立されたNPO法人事業継続推進機構(理事長丸谷浩明氏)の会員として登録し、「中小企業・地域普及分科会」のメンバーとして活動をしております。国は今後10年間で大手企業の全て、中堅企業の半数以上が事業継続計画を保有する行政指導をしています。また、ここに来て、中小企業向けの事業継続計画の取り組みが東京、大阪、福井など各地で動き始めていますが、埼玉県では平成19年末に「中小企業の防災・事業継続の手引き」を作成しております。
 2月17日(土)吉川市の市民交流センターおあしすで開催された第2回NPOフォーラムにおいて、講師に丸谷浩明氏(NPO法人事業継続推進機構理事長)をお迎えして事業継続計画(BCP)セミナーをNPO法人シビルサポートネットワーク主催で開催しました。このセミナーは中小企業向けに事業継続計画(BCP)という経営マネージメントを地域の中小企業向けにわかり易く解説するセミナーです。地震で地域の企業が倒れると地域全体が疲弊してしまう恐れがあり、事業継続計画(BCP)の普及は地域の中小企業こそ不可欠です。当日は経済産業省、埼玉県、吉川市、埼玉県内企業から多くの参加を頂きました。今後はこのセミナーを契機に埼玉県内にBCPを普及させるグループを発足させ活動をして行きたいと企画しています。また、当NPOのBCPの普及活動の取り組みが2月11日の東武よみうり新聞に大きく報じられました。

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